はりきゅう通信 〜心も身体も元気よく〜

温暖化を自分のこととして捉える
2007年 5月号

 

 今地球は温暖化しています。これは明らかな事実です。最近、米前副大統領のアル・ゴアさんが、「不都合な真実」という本を出版し、またそれが映画化されました。観られた人も多いかと思います。もしまだ観ていないのでしたら、是非親子でこの本を読むことをお勧めします。地球の今がかなりリアルに描かれています。そして、彼の肩書きからも分かるように、その情報の質は信用に値するものです。時間を作って是非読んでみてください。写真が豊富でとても分かりやすいものです。

 ところで、今月の9日、光化学スモッグの注意報が発令されました。学校からも連絡があったかと思います。目がチカチカしたり、喉に痛みを感じたりした子も多かったはずです。

☆光化学スモッグ(こうかがくスモッグ)とは・・・
工場や自動車の排気ガスなどに含まれる窒素酸化物や炭化水素(揮発性有機化合物 )が日光に含まれる紫外線の影響で光化学反応 をおこし、それにより生成する有害な光化学オキシダント (オゾン やアルデヒド など)が空中に停留しスモッグ状になること。また、日ざしが強くて風の弱い日に特に発生しやすく、夏に多い。発生すると人の健康に悪影響を及ぼすため、大気汚染として問題となる。日本では1970年代 をピークに減少傾向にあるが、ヒートアイランドなどの影響により増加している大都市地域もある。
    

(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

※ 環境省の作っている「そらまめ君」というHPには、速報含め詳しい情報が載っています。

 私たちが住んでいる川崎市も当然ヒートアイランド化しています。また、「今年は暖冬だな」はもう毎冬の決まり文句となっています。おそらくこれからも注意報・警報ともに増えていくでしょう。物理的な排除を目的として、うがい、洗眼、シャワーなどは有効です。特にアレルギー体質の子にとっては大切なことですから、習慣化すべきことです。しかし、本質的な解決策は、別のところにあります。

■地球を思うこと  ■自分の身体を思うこと
 「地球を思うこと」はそれ自体大切ですが、大きくは政治が関係してくる問題です。政府の方針、京都議定書などの国際的な同意などがそれにあたります。これはロングスパンで行うもので、これからの地球の向かう方向性を決めるものです。そして、これに個人として参画するのはとても大変です。身近なものをリサイクルすることや、ゴミの分別、また社会的なものとして署名運動、ボランティア活動などさまざまですが、それらとて、生半可なことではできません。
 それに対して、「自分の身体を思うこと」はどうでしょうか。光化学スモッグが自分の身体に及ぼした影響を考えてみましょう。呼吸器系を傷めつけられることはそれだけで生気を無くします。また環境ホルモンとしてさらに他の臓器に作用する可能性もあります。自分の身体がどんどん蝕まれていくのです。どう感じるでしょうか。それらに対して強くNOと言わない限りそれは永遠に続くのです。いや、それ以上に増え続けるのです。自分の身体を守るために、考え行動しましょう。口に入れるものを再考しましょう。少しだけ歩いてみましょう。自然を感じましょう。身の回りで自分に害を及ぼしていることをいくつか考えてみましょう。自分の身体のためのみを考えて行動してみましょう。結果、それらが温暖化ストップに役立つのではないでしょうか。



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"にぼし"をほおばる子どもたち
2007年 4月号

 

 夕食時、塾では子どもたちの楽しげな声が響きます。授業と授業の間の30分、静かにもくもくと食べている子もいますが、ほとんどの子がワイワイガヤガヤと食を楽しんでいます。「楽しんで食事をとる」ことは健康にはとってもいいことで、暴走しないように注意はしますが、基本的には放任です。食事を終えてエネルギーを充電してのバトルなど、次の授業までの"遊び時間"をフルに利用しています。時に、先生たちの机の方に遊びに来る子もいたりして。

 その時、私が食べている"にぼし"を発見します。牛乳を飲むとお腹の調子が悪くなるので、もっぱら小魚がカルシウム元の私。最初は味噌汁に入れようと思って買っていたのですが、面倒になって今では食事中に袋に手をつっこんでぼりぼりと。あぐらをかいて食べたりと、ちょっとはしたないです。そんな私の姿を子どもたちは決して見逃しません。「にぼしちょうだい、昌ちゃん」と手を出します。担当していないクラスの子とも話せたりと、"にぼし効果"があっていいのですが、中には、袋に書いてある『毎日食べなさい』という文句をそのまま私に向かって言いながら手を出す子もいたりして、何か命令されているようでへんてこな気分。そして「昌ちゃんににぼしもらった〜」とこれ見よがしに他の子らにアピール。その後は知る由もなし。にぼしたちはどんどんと私の手元から旅立っていくのです。

 今、白砂糖や合成着色料などをふんだんに使ったお菓子が、これでもかと言わんばかりに、スーパー、コンビニで売られています。もちろん私が小さかった頃にもあったのですが、その内容もさることながら、手に取る頻度が全然違うような気がします。あの頃は、何となくですが、お菓子をたくさん食べることに対して罪悪感みたいなものがあって、(だからこそ、こっそり食べたりしたのですが…そして今でも…)時々食べるからうれしいものという位置づけだったように思います。物質的に豊かになり、ものが溢れて、選択を自らの判断でしなくてはならない現代の子ども達を思うと何となく不憫でもあります。これらのものは習慣的に身体に入れるべきものでは決してありません。でも、にぼしを無邪気にほおばって、おいしいと言っている姿を見ると、まだまだ捨てたものでもないな、とも感じます。

 最近、「医食同源」よろしく、「身土不二」、「地産地消」など、伝統文化を見直す言葉が様々なところで見られます。その中の一つに、「一物全体食」という言葉があります。一つの食べ物でも、全体を食べることによってバランスがとれるという意味です。人工肥料や農薬のこともあり、全てを行うのはなかなか難しいのですが、この「にぼし」なども「一物全体食」の考えに従っていると思います。「にぼしを食べて、"切れる子"を作らない」などというような大仰なことではなく、にぼしの素朴な美味しさを味わえる舌であって欲しいと単純に思います。と言いながら、先日、にぼしと一緒にアイスキャンディーを平気で食べている男子を見ました。子どもって・・・。



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歴史と伝統
2007年 2月・3月合併号

 「インフルエンザにタミフルを!?」
 ちょっと躊躇してしまいませんか?「効くって言うけど本当に大丈夫かな?」
慢性喘息を患っている子には無効であるタミフル。幼児だけでなく、中高生にも呼吸停止などがみられたタミフル。全世界比率で約80%を日本で消費しているタミフル。。。 特効薬として世に出てきて、あっという間に日本を席巻しましたが、新薬の宿命か、両面を持っています。 24時間以内の服用という条件付でかなりの効果を上げているのも事実ですが、反面上記のような事実もあります。一長一短だな・・・と新聞を見ながら言ってみても、我が身に降りかかってきた時には果たしてそう言い続けられるでしょうか。

 薬は大きく分けて、西洋医の新薬と漢方薬(湯(とう)液(えき))によく分けられますが、本質的な分類は、"歴史と伝統がそこにあるかどうかという視点"にあるように私は考えています。だからといって「漢方薬はすべて是である」という乱暴な考えではなく、新薬・湯液問わず、背景に十分な歴史と伝統があるかどうかという視点です。例えば、インフルエンザの治療に以前から特効薬があったかどうかの視点です。水分・(塩分)をしっかり摂り、安静にすること、睡眠をしっかりとること、これらに勝る治療法はなかったのではないでしょうか。また、医者から言われたことや、出された薬をそのまま受け入れるかどうかといった視点です。"先生"という言葉に安心をいだくこと自体は決して悪いことではありませんが、その"先生"が言うことがすべて正しいと考えることは大問題です。しかし、では何を信じればいいのかということになります。まさか、インフルエンザにかかってから、研究文献を紐解いて、専門家と議論して・・・など不可能です。そこで、基本的な考えとして、"「歴史と伝統」がそこにあるかという視点"が役に立つわけです。

 おばあちゃんの知恵袋よろしく、受け継がれるべきものをきちんを受け継いでいく中、醸造され血肉になっていくものを大切にしていく、そういった伝統が今こそ見直されるべきなのではないでしょうか。このことは"食"についてもあてはまります。「見直されつつある日本食」・・・よく聞き、また雑誌などで目にする言葉ですね。でも実際の食卓にその色があるでしょうか。
 患者さんを治療していて思うことは、「本当は素朴でいいんだろうな」という思いです。雑多でせわしい世の中で一所懸命生きてきて、ベットに横たわってる患者さんを見て素直に感じます。この人のために少しでも助けになりたいという思いで鍼をし、灸をします。


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